開発ノート Vol.3|ボディ素材──小さな手が大人になっても渡せるものを

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|大椛正志(Masashi Okaba)大椛正志(Masashi Okaba)

Suzukazeの「SK-10x50」のボディ素材についてご紹介します。

開発ノート Vol.3|ボディ素材──小さな手が大人になっても渡せるものを

双眼鏡は単なる道具ではなく、人と景色や思い出をつなぐ存在です。
そのため長く使い続けられることが重要であり、ボディ素材の選択が大きな意味を持ちます。
アルミ合金は軽さと高い耐久性を兼ね備え、温度変化や衝撃による歪みが少なく、光学性能を長期間安定して保てる特性があります。
一方、プラスチックは軽量ながら変形しやすく、見え方に影響を与える可能性もあります。
時をこえて受け継がれる道具であるために、強さと安定性を備えた素材選びを大切にしています。



― 時をこえて寄り添うための、ボディ素材という選択

夜空を見上げるとき、
私たちのそばにはいつも「道具」があります。

手の中に収まる重さ、
ひんやりとした金属の感触、
覗いた瞬間に広がる透明な世界。

双眼鏡はただの器具ではなく、
“誰かと同じ景色を見るための橋” のような存在です。

そんな道具が、
いつか大きくなった子どもの手に渡り、
また星空を見上げる時が来るなら──
それは、つくり手としての何よりの喜びです。

だからこそ、
私たちは ボディの素材 にこだわっています。

【アルミ合金を選んだ理由】

長く使う道具にとって、外装はただの“カバー”ではありません。
衝撃や温度変化から光学系を守り、
見え味の寿命を左右する“最後の砦”です。

Suzukazeの星空双眼鏡「SK-10x50」には、

自動車や航空機にも利用されている
アルミ合金ボディ を採用しています。

・軽いのに、驚くほど頑丈
・温度差による歪みが少なく、光学性能を保ちやすい
・気密性が高く、防水構造との相性が良い
・長年の使用にも耐え、劣化しにくい

どれも、
“10年後も、20年後も、同じ見え味でいてほしい”
という想いからの選択です。

【プラスチックボディとの違い】

手頃な価格の双眼鏡の多くは、
軽量な プラスチックボディ(ポリカーボネートなど) が使われています。

もちろん、軽さや扱いやすさという利点はあります。
けれど、双眼鏡のような精密機器にとっては、
弱点も見逃せません。

  • 温度で伸び縮みしやすい
  • 衝撃で歪みが残りやすい
  • そのわずかな変形が光学性能に影響する
  • 長期間の使用で“見え味”が変わりやすい

双眼鏡は、
“ほんの数ミリのズレ”が見え方を大きく変えます。

だからこそ、
子どもの代まで渡せるほどの耐久性を考えると、
やはり アルミ合金 が最適だと判断しました。

【受け継がれる道具であるために】

大切な道具は、時間を閉じ込めます。

家族で一緒に見た満天の空、
旅先で交わしたひと言、
キャンプの夜に笑いあった思い出。

そうした記憶をまとった双眼鏡が、
ある日、小さな手から大きくなったその子へと渡される──
そんな未来を想像しながら、
私たちは素材を吟味し、アルミ合金のボディに託しました。

見え味の美しさだけではなく、
道具としての“強さ”を大切に。

そして小さな手が大人になったとき、
どうかこの双眼鏡が、変わらずそばにありますように。


Suzukaze「SK-10x50」の詳細はこちら
 ↓ ↓ ↓
https://suzukaze.co.jp/products/sk-10x50

大椛正志(Masashi Okaba)
大椛正志(Masashi Okaba)涼風工業 代表

双眼鏡に特化した国内ブランド「涼風工業」を運営。 100社以上の製造パートナー候補から選定を行い、光学性能・耐久性・使用環境を踏まえた製品設計を行っている。 スペックだけでなく「見え味(自然な見え方)」を大切にし、星空観察・野鳥観察・ライブなど、実際の使用シーンに寄り添った視点で検証と発信を続けている。 光の通り方や見え方に向き合いながら、日常の中でふと立ち止まりたくなるような体験を届けたいとの思いから、双眼鏡の選び方や楽しみ方を伝えている。